オーストラリア上陸大作戦!!
『あなたは一人で飛行機に乗った事があるだろうか』
この答えがYESであるあなたは、旅上級者であると思われる。
この日の私にそれを質問したのであれば、答えは実はYESであった。
オーストラリアにワーホリで行く前、私はすでに10か国を訪れていた。
一番最初は、小学校4年生の時。シンガポール。
そんで、香港、カンボジア、タイ、韓国、台湾、トルコ、モロッコ、スペイン、マレーシア。
(ちなみに、こっちに来てから、韓国とタヒチとニュージーランドに行きました。)
すべて旅行だけで、住むのは初めて。
一人で飛行機に乗ったのは、モロッコに行った時と、スペインから帰国した時だった。
ぜんっぜんどんな感じだったか覚えていないけど。
なので、オーストラリアに行く飛行機しかもJALに一人で8時間くらい乗るのなんてへっちゃらだった。
という気持ちでは全然なかった。
まじで緊張していた。だって、これから知らない人と住むんだもん。
緊張するって。
しかも、両親が空港に見送りに来てくれてて、そんでもって、前回お話したように荷物が全然オーバーしててぎりぎりになり、本当にもうゲートしまる寸前だった。
ていうのが、これも以前お話したように、ビザを申請してからパスポートを申請しなおしてしまって、空港でチェックインする時に、
「何ビザですか?」
「ワーキングホリデーです!」
「…ビザの記録がありません。以前のパスポートをお持ちですか?」
「…持ってない…。(青ざめ)」
というやり取りがあって更に時間がかかってしまったのだ。
マジ最悪!!!
海外に何年も単身赴任していて旅慣れている父(ただでさえ短気)は激しくイライラし始めており、それに対して私のストレスもマックス。
空港で出発前に泣くというドラマ。
そして、てんぱった状態で家族と別れて一人飛行機へ。
こんな状況でおちついてたらこわい。
という心情であった。
ボロボロ…(涙)
の私を、CAさんたちは優しく受け止めてくれて、なんと一人で3席も使わせてくれたのでした。
なので、ボロボロになりつつも、快適な空の旅を楽しんじゃった私。
飛行機で横になって寝れるって本当にラッキー。
千葉出身の私は、リムジンバスで成田空港に1時間ちょいで到着し、夜の便でブリスベンへ(どこそれ?)に向かったのでありました。
飛行機は好きですか?
この当時の私は飛行機が大好きだった。
機内食とか興奮するし、飲み放題だし、映画も無料で見放題(当時はNETFLIXとかなくて、映画はまだレンタル屋さんで借りたり、金曜ロードショーとかテレビで見たり、映画館に行ったり、Wow Wowに加入したりしないといけなくて結構面倒くさかったんです)。
そしてCAさんは優しい。そしてなんか楽しい。
いえーい。
てな訳で、無事に飛行機に乗り込み、そしてなんと…。
オーストラリア上陸!!!!!
しました!!!!
朝っぱらの空港に到着した私。
ビザとパスポートの件があって、もしかしたら空港に着いても国内に入れてもらえないのではないかとビビる。
でも、あっさりと入れる。
「…どういう事だろう。でもきっとこれでいいに違いない。バレる前に、一刻も早く空港から逃げ出したい。」
と焦る私。
日本の留学センターから、サンシャインコーストにいるエージェントのアントワネットさんが来ているといわれていたので、アントワネットさんらしき人を探す。
いない。
…ん?
なんと、アントワネットの娘のションテルとその息子のクレイ(赤ちゃん)が迎えに来てくれていたのだった。
つーか。娘て。そして赤ちゃん連れで仕事場に来ちゃうって。
『自由すぎる…。』
と、眠い頭で思う私。
ションテルは何か20歳くらいの見た目。
何歳だったか忘れたけど、そんな感じだったと思う。
「お母さんと一緒に仕事してるから。」
といけしゃあしゃあと言うが、こんな小娘に仕事をさせていいのか?みたいな。
後で考えると、アントワネットはきっと免許が何かの理由で取り消しになっていたんだと思う。
彼女の車を一度も見たことないもん。
「ションテルよ。よろしくね。」
と言われても、
「は?ショ?何?」
これからもたくさんたくさんこういう人が登場しますが、『こんな名前聞いた事も見たこともない。』という人がたくさんいるのです。
海外から来た名前だったり、適当に作られた名前だったり。
聞き取れてもつづりがわかんなかったり、どう考えても覚えられない名前もたくさん。
お年寄りの方がシンプルな名前が多いと思う。
赤ちゃんのクレイ(土って意味。こんな名前を赤ちゃんにつけるってどうかと思うけどね。でも土は地球の象徴だから、地に足のついた良い名前とも言えるらしい。)に関しても、意味を聞いてみたら。
「意味はないの。響きがいいかなって思って。」
との事。
こっちでは、名前にほとんど意味がない。
それよりは、『想い』が入っている。
パパと同じ名前。とか、おじいちゃんと同じ名前とか。
だから、日本人の名前にほとんど意味があるという事を教えてあげると、オージーの人はとっても感動をして、必ずと言っていいくらい、
「美しい名前だね(That's a beautiful name)」
と言ってくれます。かわいらしいコメントだな~っていつも思う。
とりあえず、ションテルの車(ベビーシート装着)にて一路サンシャインコーストに向かう事に。
空港からブリスベンの町が見下ろせた事を覚えている。
3月末だったから、気候は少し暑いはずだったけど、とりあえず朝っぱらなので、涼しくて快適。
サンシャインコーストに向かうと言っても、サンシャインコーストは海岸にそって縦長に伸びている地域。
その中のどの町に住むかによって、かかる時間もだいぶんかわります。
まあ、そんな事も全然知りもしない私です。
今調べてみたけど、車でブリスベン空港から私のホームステイ先は1時間半くらいみたいでした。
車に乗ったら速攻寝る私は、さっさと寝て、起きたらホームステイ先という展開。
「Hello!!」
「ハ、ハロー。」
やべえ!!!ついに来たぜ!!!
ビーチまで徒歩5分以内の海岸沿いにあるおうちに住む家族は、みんな超ラフな格好をしていたのに、私は日本から来たジーパン。みたいな。
場違い感が半端ない。
パパとママは私の1歳年上(当時の私が29歳だから、30歳)で、子供は上の子が女の子で5歳、下の子はまだ2歳でおむつをしながらうろちょろしている状態。
そして、でかい犬のルーク。かっこよすぎる。
みんな髪も日焼けしてて金髪だし、なんと言っても、美男美女のカップル。
やばすぎる!マジで理想のホストファミリーすぎる!
やばい!!もうすでに人見知り!!!!
あ~ん。どうしよう~。
と半べそをかいている間に、ションテルはさっさと帰宅。
「おうちを見せるね!」
と、スーツケースをもっていってくれる動ける若夫婦。
うちの中はバリ風の家具でそろえてあって、超いけている…。
素晴らしすぎる!!
私の部屋としていただいた部屋も、ベッドはクイーンサイズだし。
ただ、家をいろいろ改装していて、その後二つあるシャワーの一つが使えなくなり、4人家族と私が全員同じシャワーを奪い合うという事に。
まあそんな事はどうでもよい!!
素晴らしい!!!そしてとてもやさしい!!
どうしたらいいんだ!!!!
その日に一体どんな話をして、何をしたとか正直全然覚えてない。
でも、今までも何人か日本人を受け入れた事があるし、奥さんはフランス語を勉強していた事があって、語学にとっても興味がある感じ。
前に受け入れてた子の写真を見せてくれたり、日本語でのあいさつを覚えてくれたり。
「今まで来た日本人よりも英語が上手だね」
とか嬉しい事を言ってくれたり。
5歳の女の子も、ませがきで口が達者だけど、超絶かわいい金髪美人。ママと一緒に日本語のあいさつを覚えてくれたり、
「イチローさんの畑で~ イーアイイーアイ オー」
って日本語で教えたら歌ってくれたりしてかわいかったな。
パパは、かっこいくて人見知ったから、全然しゃべれなかった。
しかも、男の人の英語って聞き取りにくくて、あんまり何か言われてもわかんないし。
うちのインターネットの使い方を教えてくれたんだど(当時Wifiのあるおうちはあんまりなくて、みんなわりとモデムと線でつないでた)それも実は全然わかんなかった。
ので、基本的にうちではインターネットは使えない。
以上。
初日は、ビーチを見せてくれて、そのあとフィッシュアンドチップス(魚のフライもしくは天ぷらとフライドポテト)を一緒に食べたりしたと思う。
でも、食べ物は何をどのくらい食べたらいいのかがいつも全然わかんなかった。
あんまり食べないんだよね。私のホストファミリーって。
『これで全員分?』
みたいな量だったりして。
基本的には超遠慮してたな~。もっと食べたいって言えなかった。
もしもっと食べたいか聞かれたら、食べたければ食べたいっては言えたけど、もし足りなくても足りないという事はできなかった。
なんか、はずかしくて。
一応朝食と夕飯の二食付きのプランで、お昼は自分で調達だったんだけど、とても親切なおうちだったので、冷蔵庫にあるものは食べていいよって言ってくれて、ピーナッツバターとか、ハムとかチーズの簡単なサンドイッチを作っていた記憶。
お店にも徒歩では行けなくて、家族が買い出しに行くときに一緒に行くんだけど、そこで自分の買い物をする事もなんかできなくて、いつもあるものを『食べきらないように』食べてたな~。
買い物の仕方がよくわかんなかったし、なんか、もともとシャイだから、色々言い出せなくて、なすがまま。
最初の1か月でぎゅんぎゅん痩せました(笑)。
もともとデブだったんで。
さて、いよいよ明日から老人ホームのボランティアが始まります!!
めっちゃ緊張。どうしよう。